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2012年2月

2012年2月29日 (水)

第二章 生まれ変わりの印 No.28

No.28
姉は白鷲ノ天苗、弟は麻比古といった。
天苗の歳は十八、麻比古は十四になったばかりだった。
揃って高貴な顔立ちからもその育ちが伺われた。
下総香取神宮の神職首座の筋の姉弟で、あろうことか拉致され、外国の人買いに攫われ、遠国、外洋船で輸送中を、からくも寄港中隙をみて逃げたのだ。

2012年2月27日 (月)

第二章 生まれ変わりの印 No.27

No.27
「変身してあんたは女になった!それも男を惑わすような妙齢の美人だ!ヒヒヒ」
そう言うとジョロボは大笑いをした。
「何だって女に?」
テスラは両手で顔に触った。
「本当だ、…驚きの変身だ!」
「美人の姉さんだよ、何て綺麗なんだ!」メスーゼラが目の前に顔を寄せて言った。
「ヒヒ、これは自分じゃ自由にならないぜ。そうこうしているうちに、記憶は消えておおよそ忘れちまうがな、そーら、間もなく彼岸に到着だ。ヒヒ、又会おう!」
そう言うとジョロボは木琴の音だけ残して姿が消えた。
二人はこんもり茂る巨樹の木のウロに抱き合って目を覚ました。

2012年2月26日 (日)

第二章 生まれ変わりの印 No.26

No.26
テスラは心内の変化に驚いた。
いつのまに染み付いた諦観した年寄りの「枯れた」心が、「春うらら」の心持ちとなり心の中心にぱあっと明るく匂った。
「俺は一体どうしたのだ?まだ飛び立ったばかりなのに?」
「ヒヒヒ、テスラ、あんたの姿!自分じゃ見えないか…。ムヒヒ」ジョロボはニヤニヤとテスラを眺め回して言った。

2012年2月25日 (土)

第二章 生まれ変わりの印 No.25

No.25
ジョロボは大きく振り上げたビーターを木琴に打ち下ろした。
ぐわ~んという音は波のように夕闇に波及した。
同時に、三人の魂は垂直の力を帯びて別次元に伸び上がった。
「いよいよ彼岸に向かうぞ。」
テスラは興奮気味に上空を見た。
「これほどワクワクするのは久し振りだ!思索の域を超えて。」メスーゼラは薄紫の渦から、一人の少年の姿に成った。その神がかった美しさにジョロボは驚いた。
「それがあんたの本当の姿かい?びっくりだな、ヒヒヒヒ。」
ジョロボはからかう様に大声で笑った。
「思索が私を木の姿にしていたのだ。私は思索から魂を解放された。何もかも軽やかになった。魂の旅が始まる。」空を振り仰ぎ少年は言った。

2012年2月24日 (金)

第二章 生まれ変わりの印 No.24

No.24
ジョロボは闇に目を凝らした。
砂漠の地平線上に細い三日月が軽々と浮いていた。
「ヒヒ、俺の目はごまかせねーぞ、真実は炎の揺らぎなどないからな。見ろ!出発の印だ。」
ジョロボは大きな声で怒鳴る様に言った。
西の一筋の沈黙する輝きはますます動きを止めて鋭く
静止していた。ここまでの静けさを自然界が作り出しているのが不思議だった。

それにしても、一生で大事という出来事をあげて、それは幾つあるだろう?
又、棺桶にまで持っていかなければならない秘密は一体幾つあるのか?ジョロボは全てを払拭するかのようにニヤリとした。
「ヒヒ、出発するぞ。」

2012年2月 9日 (木)

第一章 輪舞する星々 No.23

No.23
「なんじゃ?身体がふわふわじゃ!」そう言うと、メスーゼラの身体は物質では無い湯気の様な状態に変化した。
「さあ、それなら俺は気にならねえ、あんたはただの煙だ。何処へなりとも一緒に行けるぜ、ヒヒヒ。」ジョロボは心で見つめる様にちょっと目を瞑った。
「おお、ありがとう。ワシは、あらゆる物質的なものから、たった今おさらばする!こりゃいいわい!!ジョロボ、木琴をぞんぶんに弾いてくれ!テスラ殿ご一緒させてもらうよ、実に良い気分だ。」
メスーゼラは五千年の重さを吹き飛ばす様にくるくる廻った。

2012年2月 3日 (金)

第一章 輪舞する星々 No.22

No.22
「ハハハ、ジョロボ、テスラ、実に爽やかな気分だ!ワシは千年振りに言い知れない可能性を感じる!何でもできそうな気がして来た…。これがジャガーピースのおかげならすごい奴だ、ワシは今更にして解ったことがある。煙草の精霊と思索は切っても切れないのだ!その光輝面をワシはまったく数千年に渡り知らなかった。」メスーゼラは奇妙な紫色の輝きを帯びて光り輝き、辺りに高貴な煙草の香を漂わせ自ずから完全体への変身を遂げた。

「煙草の精霊は、それは強力さ!
宿命を変えることすらできるぞ、ヒヒヒ。ジャガーピースがこの先もっと信じられないことを起こすよ、気に入ってくれさえすればだがね。イヒヒ!やつはほとんど野生だ、だが敵にまわすとこれほど手ごわい奴はいない。ムヒヒヒ!コントロールは木琴でしか効かないぞ。」
ジョロボはますます目玉がひっくり返るほどメスーゼラを見上げた。

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