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2012年9月 2日 (日)

第三章 黄泉からの帰還 No.51

巨大な象の歩行は意外な速さで、砂漠のライオンの背と呼ぶ三つの丘を、悠々と見えながら半日で越えた。
 真夜中に地平に卵のような月の出の気配を見ると、その方角に曵かれるかのごとく、白い象は向きを変えた…。月が地平から顔を出しはじめた時、オパールの輝きのようにもう一つの月が、下に分離していった。
 「見ろ!幻の湖が現れたぞ、あれだ!」白象が言った。
 「神秘的な色だ…。」アサビコは、茫然と二つの月を象の背から眺めた。
 「見たこともない美しい光景じゃ。長生きはするものじゃわい。ははは。」長老は皺だらけの細い目をより細めて言った。
 「鏡のようだ…。」コンガラがつぶやいた。
 「貴様ら、あの湖に何があるか知らんからそんな呑気なことが言えるのだ。まあすぐ分かるだろうよ。」コントンボリはうそぶくように、顎に手を当て神妙な顔をした。
 月は上下へと、みるみる分離していった。

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