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2012年9月 2日 (日)

第四章 世界の果てガランゴ No.68

「ふふ、貴様の知ったことでは、まったくといってない!」レモの怒声が波間に響き渡った。

 風雲急を告げる中、突然ジョロボの木琴が始まった。位相のコントロールは木琴にしか自由にきかない、いや、木琴にすら自由は完全ではないのだが…。

 「おおっ?この悲しき海の調べを奏でる吟遊の者は誰なのだ…?
 彷徨えるわしの心臓が波のように高鳴る…。わしの心臓は、今やクラーケンの心臓に取って代わった。海そのものの懐かしく近づきがたい響きに、狂わんばかりの郷愁で鼓動は高鳴る。わしは海の荒ぶる怪物そのものとなったのだ。
 おお、この張り裂けそうなほどの悲哀に充ちたメロディ、深く狂おしい通奏の和音…。寄せては返すどよもす豊穣の海の狂おしさ!
 
 ええい! それもすべてはガランゴからの大落下で、微塵も残らぬ運命を知れ!
 大海の荒ぶる心臓は破滅に向かい打ち震え始めたぞ!」
 大乱闘の中、レモ船長は狂気の目で笑いを引きつらせ、面舵いっぱいに操舵輪を大瀑布ガランゴに向かい大きく切りはじめた。
「完全に狂っている!手がつけられん!大瀑布から落ちて助かった者は何人たりとも一人も無い!」
コントンボリは弾かれたように空中を飛び去った。
 
 そのとき、天空を分け入るように一筋の光が射した。

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