フォト
無料ブログはココログ

« 第六章 五万年紀 No.88 | トップページ | 第六章 五万年紀 No.90 »

2013年2月 4日 (月)

第六章 五万年紀 No.89


No.89

身の丈三メートル程の、泥で出来た男達がばらばらっと広場に走り出ると、のっぺらした顔のない顔でその一人が怒鳴った。

「わしらは土の精霊だ。赤土、黒土、黄土、うち揃っての登場だ!今、冥府の門番が一夜のみ人質を解放した!さあ歓迎のセレモニーだ、踊れ!踊れ!」そう大声で怒鳴ると、激しく脚を蹴りダンスが始まった。

ザイロフォン・ジョロボの叩く大型の木琴に同調した奇妙な見たこともない激しいダンスは、ユマ達の目を見張らせた。

「ワハハハ、土塊のダンスを見るのは初めてか?どーだ、面白いだろう?」赤土が、クルクルとコマのように水平に回り、ピタリと止まると、ユマに言った。

「それ、村の入り口を見ろ、冥府の道程を貴様らの亭主共がやって来たぞ!ダンスの準備だ!ダンスが無ければ此処にこられまい!」黒土が叫んだ。

女達が揃って月明かりの入り口を振り返った。

ゾンビの集団のような、ギクシャクとした影どもが村の入り口にゾロリとやって来た。男達の引きずる凄まじい何ものとも分からぬ音は、まさに冥界の帰還者に違いなかった。

「あーっ?帰って来た!」女達が叫びにちかい声を張り上げた。

「ダンスだ!ダンスを踊れ!さもないと亭主は腐った骸に逆戻りだぞ!」黄土が手足を振り上げ、地鳴りのような大声で怒鳴った。

« 第六章 五万年紀 No.88 | トップページ | 第六章 五万年紀 No.90 »

天頂の惑星外伝 大賢者」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 第六章 五万年紀 No.88 | トップページ | 第六章 五万年紀 No.90 »