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2013年6月 3日 (月)

第七章 信じようと信じまいと No.103

No.103
ドーナッツの穴から自らひっくり返る様に、アマナの"私"は完全にそのままひっくり返った。サナギのごとく"私"のすべての再構成が始まった。今迄とは思いも寄らない仕方で、命本来の奔出がアマナから"私"の宇宙を開いたのだ。阿頼耶識の種子の世界には思わぬ扉があった。
命本来も生きていたのだ…!

アマナの"私"の一つで在る翁は、「松風大人」という五葉の松の顕現体であった…。
ある"私"は天苗である。また、ある"私"は、因果に翻弄され、ついには人をあやめた強盗でもあった。また、ある"私"は、星辰に思索をめぐらすブリストル コーンパインの友人、物言わぬ古樹でもあった。また、ある"私"は、一生を、ただ岩盤を向う側にくり貫くためにだけ生きた乞食聖でもあったのである。またあるときは、しぶとく厄災災禍に生き抜く、土ブタと云う半人半動物精霊の"私"でもあった。
そして、その総体は、異相に於いてはカトリの神霊体でもあるのだ。

それら命本来の奔流に輝く"私"の泡沫は、葡萄房の如くに、付かず離れず結合しあい、滝の落下を目前にした…。

滝は目の前にどうどうと降り下りていた…。
飛び散る無数の白い泡沫は円型を描きながら、其々の世界を形づくって落ちて行く。
その背後には、崩落する藤色の命本来が、微塵も動かぬ水塊として轟々と落下し続けているのだ!
辺り広大な一帯に、きらきらと光る微粒子が、優雅な綺羅星の香のごとく、さらに細かく細かく降り注いでいる。

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