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2013年7月 7日 (日)

第七章 信じようと信じまいと No.108

No.108
「きさまの夢などどうでもよいわ!すぐに魂を返し、俺を放せば許してやる。
さもないと、きさまらはここで魂の重罪人となるぞ!」悔しまぎれに延命冠者が叫んだ。
「重罪人?どういうことだ?」
「俺の大切な魂を性懲りも無く横取りし、盗んだからだ!」
「わしらは、盗られた魂を解放したまでだ。」
「うるさい!すぐに術を解け!四の五の言わずに人魂を置いて行けば見逃してやる。
さもなくば、きさまらもここで終わりだ!俺が取って食ってやる。」
怒り狂った延命冠者は、片手で腰の小太刀を抜いた。

鴫童子は大人の前に立ちはだかり、両手を広げて言った。
「松風大人、この男は延命冠者ではありません!延命冠者は魂魄を乗っ取られて宙におります、
今しがたの夢に知らされました。
この男は延命冠者と従者を襲い、まんまと延命冠者に成りすました盗賊の鼬鼠(イタチ)です!」

「ええい!小僧、きさまから血祭りだ!」
そう言うと、延命冠者の鼬鼠はシギに襲い掛かった。
鴫童子は素早く体を交わし、背に鋭い一撃をくわえた。

突然「ウギャー!」と野獣のような叫び声を上げ、
延命冠者の臍のあたりから抜け出た鼬鼠は、一目散に祠の方向に突っ走ると、岩の中にかき消えた。

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